『キラキラネームの大研究』は、初見で読むことが難しい名前、いわゆるキラキラネームを題材にした研究書です。
- なぜ、読みにくい名前(キラキラネーム)が浸透してきたのか
- なぜ、名付けた親たちはDQN(教養が無い)と言われるのか
- そもそも、キラキラネームはいつ頃できたのか
- キラキラネームの成り立ちと歴史
戸籍法改正前は「光宙」と書いて「ピカチュウ」と読ませる名前があったとか、なかったとか…。
漢字の意味と読み方がかけ離れた名付けの背景には、何があったのでしょうか。
キラキラネームの背景には、日本語のなりたちが関係していた
親たちが子供につけたい「かわいく、かしこく、かっこいい呼び名(音)」。
それを「他にはない個性的な漢字の配列」に「無理やり」収めることで発生します。
しかし、それは日本語のもつ性質上、発生しやすい現象なのだとか。
もともと文字をもたない日本民族は、輸入品である漢字を自分たちの言葉に「無理やり」収めてきた歴史があるのです
そういえば平安時代「明子(あきらけいこ)」とか「高子(たかいこ)」という女性名があったわ。
森鴎外もやってた?明治のキラキラネーム
明治の文豪・森鴎外も、子供たちに奇想天外な名前をつけています。
「於菟(おと)」「茉莉(まり)」「杏奴(あんぬ)」外国人のような、今でいうキラキラ感満載の名前ですが、しかし、さすがは文豪、ただの外国かぶれじゃありません。
長男の「於菟(おと)」さんの漢字は、中国の故事からとられているのだとか。
奇抜な中でも、きちんと漢字の意味と素養を持ち合わせている名付けなんですね。
娘の森茉莉さんは、後に作家になりました。名前のように、クセがあるけれど魅力的な文章を書いています。
意味を失い、「外国人のタトゥー化」が進むキラキラネーム
驚いたのは、ただ見た目がいいというだけで、膀胱の「胱」や、生臭いを意味する「腥」の字を名前につけたい、という親がいたのだとか。
この場合の月は、にくづき(肉)なので空の月の意味ではありません。
これでは「かっこいい」というだけで、変なタトゥーを刻む外国人を笑えませんね。
漢字が本来の「概念自体」を失い、ただのデザインとしての「感字」となっていくことに、「キラキラネームの大研究」の筆者は懸念をしめしています。
アクエリオンロゴスとキラキラネーム
先日、ロボットアニメ「アクエリオンロゴス」を観ていたのですが「キラキラネームの大研究」で取り上げた「漢字と感字」「漢字の概念消失」などが物語の中に取り入れられています。
主人公たちは特殊な文字の世界「ロゴスワールド」で発生する「M.J.B.K(モジバケ)」と呼ばれる怪物と戦う設定です。
M.J.B.K(モジバケ)はその言葉の「概念自体」を奪い意味消失させてしまうため、主人公たちはロボット「アクエリオン」で「創声力」(文字と声に特化した力)で対抗する、といった物語です。
まるで今の、文字の意味消失が起こる現代社会にあわせたような内容です。
そしてたぶん、狙ってやっていると思うのですが、主要な登場人物のほとんどが、一見では読みにくいキラキラ、もしくはグレーゾーンの名前なんですよね。
陽(あきら)心音(ここね)舞亜(まいあ)努虫(つとむ)花嵐(からん)など。
アニメのキャラクターもキラキラした名前が多く、それを見ていた親がまた子の名前に…という循環があるのかもしれません。

