『菓子屋横丁月光荘 歌う家』ほしおさなえ

菓子屋横丁月光荘イメージ ファンタジー

菓子屋横丁月光荘 歌う家』は家の声を聞くことができる守人と、「声」を発する家たちが語る不思議な物語。

角川春樹事務所
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タイトルにある「菓子屋横丁」とは、埼玉県川越市で駄菓子や土産物を売る店が軒を連ねている、人気観光スポットです。

『菓子屋横丁月光荘』あらすじ

大学院生の遠野守人は、担当の木谷教授から「川越の古い家の管理人をやらないか」と声をかけられる。

守人は通学時間や家の立ち退き問題から管理人を引き受け、川越の家に住むことになった。

しかし、その家からは誰かが歌うような声が聞こえた。

しばらくして守人は近所の人たちから、かつて月光荘と呼ばれたその家に住んでいた人たちの話を聞く。そこにはいくつかの家族が住んでいて、さまざまな思い出が家に染み込んでいた。

そんな思い出に呼応するように家はまた歌い出し、守人もまたその声に呼応するように今まで抑えていた感情を吐きだすのだった…。

家の声、家の記憶

守人が聞く家「声」は、家自身の声もあるのですが、月光荘はそこに住んでいた人々の「思い」を記憶していて、どうやらそれを伝えたたがっているようなんです。

なぜ、守人には家の声が聞こえるのか。

今の守人は両親を亡くし、住んでいた家からも離され、厳格で傲慢な祖父に育てられました。そんな祖父も亡くなり、よるべのない身の上です。

そんな彼だから、家の「声」を聞き、寄り添うことができたのかもしれません。

特に最初の「歌う家」のお話は、物語の最後に歌の謎が明かされます。その描写が詩のようで美しいです。読んでいてぽおっと心が暖かくなる文章です。

月光荘の謎がとけた後も、守人は管理人として川越の古い家にまつわる出来事に関わるようになり、別の家にはまた違った形の家の思いが残っていて、それを聞くことになります。

これから守人はどんな家の声を聴くことになるのか、そこにはどんな物語があるのでしょう。

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