『六月のぶりぶりぎっちょう』

ファンタジー

六月のぶりぶりぎっちょう』は『八月の御所グラウンド』に続く万城目ワールド京都編。三月はあけぼの、六月は本能寺の変。

現代と過去、日常と非日常が同じ空間に現れた時、何かが起こる。その何かとは…。

文藝春秋
¥1,800 (2026/08/05 12:45時点 | Amazon調べ)

『三月の局騒ぎ』

京都の女子寮で主人公が体験する不思議な邂逅。その女子寮では学生を「にょご」、部屋を「局(つぼね)」と呼んでいた。

主人公の若菜が同室になったのはキヨという女性。彼女は寮に十数年もいるという伝説の存在。

彼女は若菜に「なぜ、書くことをやめてしまったの」と問いかける。

2000年代初頭の描写が懐かしい。そうそう、このころHTMLでホームページ作ってたよね。そして、いつの間にか消えてしまう。

そこで見つけた文章に強く惹かれて再び書くことをはじめた若菜。

キヨが鴨川デルタで「春はあけぼの!」と叫ぶシーンが好きです。そう、きっと日常の延長線上に清少納言もいる。

だって京都だから。

『六月のぶりぶりぎっちょう』

ぶりぶりぎっちょうとは、六角の筒を棒で転がす室町時代の子どもの遊び。

大阪女学院の日本史教師・滝川はぶりぶりぎっちょうの研究発表のついでに同僚のソフィー先生と京都女学院の教師、トーキチローと共に京都観光へ。

その夜、街角の占い師から「本能寺の変の真実を知りたくないか」と声をかけられた滝川。翌日、目覚めたホテルで殺人事件に遭遇。

そこに集った人々は、なぜか滝川が遭遇した人物にそっくり。しかし、何故か皆、彼女のことを知らない。

そして、本能寺の変の真相を解かなければ、ホテルから出ることはできず…。


不思議な演劇空間に放り込まれた滝川さん。文字通りそれは、本能寺の変を現代に再現した芝居だったのです。

誰が、なぜ、そんなことを?

日本史最大のミステリーと呼ばれる本能寺の変の謎を、現代劇に置き換えてみせる手法に驚きました。

作中、ソフィー先生と、従業員の弥助という二人のアフリカ系の人物がでてきます。そこに少し違和感を感じたのですが、まさかそれも伏線になっていたとは。

清少納言が鴨川デルタで叫び、信長が鴨川河川敷で葉巻を燻らす。

そう、京都ならありえるのです。万城目さんの書く京都なら。

タイトルとURLをコピーしました