『六月のぶりぶりぎっちょう』は『八月の御所グラウンド』に続く万城目ワールド京都編。三月はあけぼの、六月は本能寺の変。
現代と過去、日常と非日常が同じ空間に現れた時、何かが起こる。その何かとは…。
『三月の局騒ぎ』
京都の女子寮で主人公が体験する不思議な邂逅。その女子寮では学生を「にょご」、部屋を「局(つぼね)」と呼んでいた。
主人公の若菜が同室になったのはキヨという女性。彼女は寮に十数年もいるという伝説の存在。
彼女は若菜に「なぜ、書くことをやめてしまったの」と問いかける。
2000年代初頭の描写が懐かしい。そうそう、このころHTMLでホームページ作ってたよね。そして、いつの間にか消えてしまう。
そこで見つけた文章に強く惹かれて再び書くことをはじめた若菜。
キヨが鴨川デルタで「春はあけぼの!」と叫ぶシーンが好きです。そう、きっと日常の延長線上に清少納言もいる。
だって京都だから。
『六月のぶりぶりぎっちょう』
ぶりぶりぎっちょうとは、六角の筒を棒で転がす室町時代の子どもの遊び。
大阪女学院の日本史教師・滝川はぶりぶりぎっちょうの研究発表のついでに同僚のソフィー先生と京都女学院の教師、トーキチローと共に京都観光へ。
その夜、街角の占い師から「本能寺の変の真実を知りたくないか」と声をかけられた滝川。翌日、目覚めたホテルで殺人事件に遭遇。
そこに集った人々は、なぜか滝川が遭遇した人物にそっくり。しかし、何故か皆、彼女のことを知らない。
そして、本能寺の変の真相を解かなければ、ホテルから出ることはできず…。
不思議な演劇空間に放り込まれた滝川さん。文字通りそれは、本能寺の変を現代に再現した芝居だったのです。
誰が、なぜ、そんなことを?
日本史最大のミステリーと呼ばれる本能寺の変の謎を、現代劇に置き換えてみせる手法に驚きました。
作中、ソフィー先生と、従業員の弥助という二人のアフリカ系の人物がでてきます。そこに少し違和感を感じたのですが、まさかそれも伏線になっていたとは。
清少納言が鴨川デルタで叫び、信長が鴨川河川敷で葉巻を燻らす。
そう、京都ならありえるのです。万城目さんの書く京都なら。
- 『鴨川ホルモー』
- 『ホルモー六景』
- 『鹿男あをによし』
- 『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』
- 『プリンセス・トヨトミ』
- 『偉大なる、しゅららぼん』
- 『パーマネント神喜劇』
- 『八月の御所グラウンド』
- 『六月のぶりぶりぎっちょう』

