AIに依存した社会を予見したかのような小説、『妖精配給会社』。飼い主を優しい言葉で肯定する宇宙から来たペット「妖精」の目的とは?
『妖精配給会社』あらすじ
人々の悩みを聞き、心に寄り添う「妖精」を配給する会社。
10年前、宇宙から飛来した卵から産まれた「妖精」は、ペットとして地球人に浸透し始め、闇取引を規制するため配給会社が設立される。
人語を解す妖精は、優しい言葉や助言で人々を癒やしていく。人々は次第に、妖精なしではいられないほど深く依存していった。
ただ一人、妖精の言葉が聞こえない聴覚障害の老社員を覗いては…。
AI社会を示唆?
私も時々、AIに悩みを相談します。彼らの回答は最初、「大変でしたね」「わかります」と共感の言葉を提示してくれます。
そうすると、質問をした方は「受け入れられている」と安心して、その後のAIの助言も受け入れやすくなるのです。
中にはAIに「役割」を与え、自分の理想の言葉で慰めるようにカスタマイズする人もいるのだとか。
AIに依存しつつある現代を予見したかのような展開に、ちょっと恐ろしくなりました。
時代を超越したSFショートショート
『妖精配給会社』には他にも、現代社会を示唆したような作品が多く、どれもユニークでシニカルです。
現代社会では、ラクをしようと犯罪や神頼みを行う人が、最初はうまくいくものの、思わぬ落とし穴にはまってしまうのです。

