『ホルモー燦々』は、ホルモーシリーズ最終巻にして集大成。舞台は『鴨川ホルモー』から20年後。
茶釜がころがり、東京タワーでビーチフラッグ、茶釜の中からぽわっと、茶巾絞りが登場。
な…何を言っているのかわからねーと思うが。私も書いてて訳がわからない。(笑)
『鴨川ホルモー』『ホルモー六景』を読んでおくと関連がわかります。
でも『燦々』から読んで、過去のホルモーに戻っても面白そう。
※感想にネタバレを含みます。
鴨川小覇王
コロナ禍でのホルモー。因縁の対決といわれる京大青龍会と同志社黄龍陣の「鴨川小覇王」。
その会長である司馬と武良は、同時に「ホルモオオオォォォー!」と叫び、結果はホルモー至上、稀な引き分け。
しかし、遺恨を残した二人は後日、勝敗を決した雲龍茶釜をきっかけに再びホルモーを行うのですが、これがなんというか…綱引き?それとも『ちびくろ・さんぼ』の虎バター?
なんとも不思議な展開なので、ぜひ読んでみてください。
社会人ホルモー
前作『ホルモー六景』で登場した東京ホルモー。
「東京にもホルモーあるんだ!」と驚き、続きを読みたいと思っていたのでうれしい。
しかし、東京のホルモーは、京都とはまったく違う競技形式。そりゃ、東西で銭湯の浴槽の位置も、いなり寿司の形も違うのだから、ホルモーも違ってくるのでしょう。
助っ人として駆り出された青龍会OB・OGのカンムとキケロ。
東京ホルモーは、オニとシンクロし、東京タワーを登り、相手チームのオニと別の黒オニの攻撃を交わしながら、先端のフラッグを奪取するというもの。
あ、これあれだ、城攻めを模しているんだ、多分。それも武士の都・江戸発祥ホルモーぽくていい。
ゆるやかなカーブを描く東京タワーの塔脚部は、さながら石垣の攻略のよう。そこへ敵が攻撃して追い落とすのはまさに戦国の城攻め。
ルールの違いに驚きながらながらも、カンムとキケロはトップを目指すのですが…。
ホルモー喫茶去
「喫茶去」とはや修行やもてなしを意味する禅宗の言葉。
埼玉女学館茶道部の風舞(ふまい)と小堀。二人は、ある日、雲龍茶釜から声が聞こえ、茶巾絞りの変な生き物を目撃、そこから不思議な出来事に巻き込まれていきます。
茶巾絞りに導かれるように、二人は顧問の先生のために奮闘します。
自らの欲望とプライドに溺れた『鴨川小覇王』の司馬と武良と対象的に、ふまいと小堀は、自分たちの友情と部活、そして人のために奮闘する姿が清々しい。
特に、ふまいが先生を探して新宿の街を駆け抜けるシーンが好きです。
『十二月の都大路上下(カケ)る』を思い出します。少女が懸命に走る姿は、いつだって美しい。
そして鴨川ホルモー(ネタバレ)
『プロローグ』で『鴨川ホルモー』の登場人物たちの、その後が描かれます。
安倍くんは居酒屋「べろべろばあ」の店長として、ホルモーの見け届人として、現在もホルモーに関わっています。
高村くんは『ホルモー六景』で知り合った珠美さんと結婚したらしい。
そして、楠木さんはというと…。
『エピローグ』で伏線すべてが収束し大団円。これにてホルモーは完結。
けれど今も、どこかの街ではきっとホルモーが、そして青春が続いているのでしょう。
20年に渡り、ホルモーの世界を楽しませていただきました。楽しかった!
おまけ
万城目作品にはホルモーシリーズと同一の世界線を持つ作品があり、それぞれ関連したモチーフが登場します。
- 小堀とふまいの通う埼玉女学館は大阪、京都、奈良に姉妹校が存在し、『六月のぶりぶりぎっちょう』『鹿男あをによし』にも登場する
- 居酒屋べろべろばぁの留学生バイトのシャオさんは『八月の御所グラウンド』の登場。御所グラウンド自体も作中に何度か登場する
探せばもっといろいろありそうなので、過去作品を読み返していこうと思います。
- 『鴨川ホルモー』
- 『ホルモー六景』
- 『鹿男あをによし』
- 『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』
- 『プリンセス・トヨトミ』
- 『偉大なる、しゅららぼん』
- 『パーマネント神喜劇』
- 『八月の御所グラウンド』
- 『六月のぶりぶりぎっちょう』

