『純喫茶トルンカ』は、東京の下町・谷中の喫茶店トルンカが舞台。美味しい珈琲と、訪れる人々の人間模様が語られます。
マスターの淹れる珈琲の描写は、香りが漂ってきそうなほど。
作者は『森崎書店の日々』の八木沢里志さん。
日曜日のバレリーナ
「私たち、前世で恋人同士だったんです」トルンカを訪れた女性客から、そんな突拍子もないことを言われたアルバイトの修一。
それから彼女は度々トレンカを訪れるようになり、彼女の雰囲気と優しさに修一も彼女に好感を持つようになる。
実は、彼女と修一は前世ではなく、過去に会ったことがあり…。
辛い幼少期を送ってきた二人が、心を通わせて寄り添う姿。それが小さな明かりのようで温かい気持ちになりました。
再会の街
人生に失敗し病気を抱えた中年男。彼は自分が捨てた恋人の思い出と、彼女の娘を生きがいにトルンカを訪れた。
娘は自分の正体を知らず親切にしてくれ、徐々に生きる力を取り戻す。
申し訳ないですが、私は好きではありません。
100%、男性に都合のいいファンタジー。あれだけ元恋人の娘が世話を焼いてくれたのに、彼は自分の不幸に酔い、親切も受け取るだけ。
「せめて、彼女にお金を残すとか、イラストの仕事を紹介してやるくらいはしろよ!」と、憤りながら読んでしまいました。
恋の雫
トルンカの看板娘、雫ちゃんの初恋。トルンカのマスターと雫ちゃんには、もう一人家族がいました。若くして亡くなってしまった姉に囚われている雫ちゃん。
ある時、姉の恋人だった人に再会し、彼に好意を抱くようになる。
少女の初恋と気持ちの揺らぎを丁寧に描いた作品。好きな人に振り向いて貰おうと、あれこれ考える姿がかわいい。

