『菓子屋横丁月光荘 丸窓』ほしおさなえ

菓子屋横丁月光荘イメージ ファンタジー

菓子屋横丁月光荘 丸窓』は「家の声」が聞こえる青年・守人が出会う、不思議であたたかい人の縁。

今回、天涯孤独だった守人のルーツが明らかになります。先祖も家の声を聞いていたらしく…。

角川春樹事務所
¥770 (2026/07/02 16:59時点 | Amazon調べ)
\楽天ポイント4倍セール!/
楽天市場

白い夢

田辺の祖母・喜与さんは守人と同じく家の「声」を聞くことのできる人。

守人は夢の中で白い世界に迷い込んだ話をすると、それは「家たちの世界」だという。

そこでの不思議な体験を文章にしたところ、文章が観光リーフレットに掲載されることになってしまい…。

守人が書いたのは家の世界と、かつて旅をした「遠野物語」の舞台を融合したエッセイのような幻想小説で、これがとても評判になります。

これまでの守人は、厳格な祖父の影響で人との関わりを避けてきました。でも、月光荘を通じて人々と交流を深めたことで、自分の進むべき道を定めていきます。

この成長に、私は読みながらは親戚のおばちゃんのような気持ちで喜んでおります。最初の守人は人当たりはいいものの、傷ついた小動物のようでしたから…。

影絵とおはなし

月光荘のイベントとして朗読会が開催されることになります。
朗読サークル「ちょうちょう」は活版印刷三日月堂『ちょうちょうの朗読会』にも登場したグループ。

朗読会は小川未明の『赤い蝋燭と人魚』と影絵の上映が決まり、古書店「浮草」のメンバーも準備を手伝うものの、スタッフ・安西さんの家族の問題が浮上して…。

立東舎
¥2,475 (2026/07/08 17:35時点 | Amazon調べ)
\楽天ポイント4倍セール!/
楽天市場

安西さんの家は独裁的な父親、他の姉妹に威圧的な長女が安西さんの生き方を認めません。ちょうちょうのメンバー・愛菜さんも母親との葛藤を抱えています。

守人だって、厳格な祖父の仕打ちを未だに忘れられない。

それでも安西さんも、愛菜さんも、守人も、葛藤を抱えながら自分の人生を進んでいきます。

みんな、どうにもならないことを抱えている。(中略)それでもこうして笑うことができる

解決できなくても、寄り添ってくれる仲間がいれば強くなれそうです。

丸窓

守人はぐうぜん、曽祖父・守章が「家の医者」と呼ばれた修復にすぐれた大工だったと知る。

曽祖父もまた「家の声」を聞ける人で、月光荘にも関わりがあったらしい。

川越と月光荘。不思議な縁でつながった絆。

月光荘も今では子どもの会話レベルの意思疎通ができるようになり、守人が人と深く関わることを「タノシソウ イイコト」と喜んでくれる。

しかし、家である月光荘は「ソト」にあこがれ、行きたいと言い出した。守人は知恵を絞り、月光荘の形があしらわれた木のキーホルダーをつけて海へ。

海を眺めながら、守人がなにげなくキーホルダーの穴から海を覗くと、懐かしく、不思議な風景が広がり…。

月光荘が成長(?)して守人がどんどん会話が進むのは不思議ですが、二人の会話は、とてもあたたかい気持ちになります。

月光荘の丸窓をあしらったキーホルダーの穴から海を眺めるのは安房直子さんの『きつねの窓』を思い出しました。

金の星社
¥1,540 (2026/07/08 17:37時点 | Amazon調べ)
\楽天ポイント4倍セール!/
楽天市場

菓子屋横丁月光荘シリーズ

活版印刷三日月堂シリーズ

タイトルとURLをコピーしました