『異名・別名の辞典』は表現者におすすめの辞典。ボキャブラリーが確実に増えます。
牡丹は「花の王」、アホウドリは「沖の太夫」そして木の実鳥は…。
ふだん、私たちが知っている名前以外の美しくて興味深い異名を調べてみませんか?
花の王と花の兄弟
『エモい古語辞典』でも紹介されていましたが、牡丹の異名は「花の王」。芍薬が「花の宰相」。
でも、その他にも面白い花の異名がありました。
- 花の兄…梅のこと。早春、先んじて咲くことから
- 花の弟…菊のこと。最後に咲くことから
牡丹にはまた「皇の花」という別名も。まさに花の王。
また、植物の中でも特に異名が多かったのが「松」。縁起物でもある松には、実にさまざまな異名があります。
時見草、色無草、物見草、常磐草など。木ではなく葉の部分の表現が多いのが特徴です。
和楽器バンドの歌詞
ロックと和楽器が融合した和楽器バンド(現在休止中)。彼らの歌詞には古語や異名が使われています。たとえばこれ。
オキノタユウ(沖の太夫)…アホウドリのこと。
「太夫」は芸事や政治で最上位を表す言葉。アホウと言われますが、実は風に乗って長距離を移動する鳥。
だから「オキノタユウ」なんですね。
物語の中の異名
私が初めて「異名」の面白さを知ったのが『鬼平犯科帳』でした。
『鬼平犯科帳』に登場する盗賊たちは洒落た「二つ名」を持っています。当時の盗賊たちのネーミングが実にシャレがきいています。
- 鯉肝のお里…似ても焼いても喰えない。したたかな女盗賊
- 馬蕗(うまぶき)の利平冶…牛蒡の異名。手足が長く色黒な相貌から
- 木の実鳥の宗八…猿のこと。猿のように身が軽い
また、阿部智里さんの八咫烏シリーズに登場する異世界の王の尊称は「金烏」。これは太陽を表す別名です。
八咫烏自体が太陽の黒点を表す別名でもあります。
そして、登場するヒロイン・あせびの由来となった花の別名は「毒柴」。
表紙のかわいい女性に何故こんな名が付いたのか。それはぜひ、本編を読んでみてください。
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