『ぼくの本屋ができるまで』は、主人公が祖父の書店を引き継ぎ、「自分らしい店」を作っていく物語。こんな本屋さん、近所にあったら通っちゃうなあ。
作者は『遅番にやらせとけ』など、書店員作品の多いキタハラさん。
書店の業務(発注や品出しなど)や書店の図面などがイラストと図で紹介されています。
これを読めば本屋を開業できるかも。まあ資金と店舗が必要ですけどね。
『ぼくの本屋ができるまで』あらすじ
田舎で本屋を営んでいた祖父から、遺産として店を相続した三角詠太郎。最初はやる気がなかったが、高校の同級生、真司と奈緒との偶然の再会をきっかけに「本屋をやろう」と決意する。
そしてなぜか真司が押しかけ店員として店で働くようになり、奈緒も常連としてよく顔を出すようになった。
なんとか店も軌道に乗りかけた頃、真司が店に来なくなった。一方、奈緒もまた問題を抱えていて…。
こんな本屋が街にあったら、毎日通う
いいなあ、三角書店。商店街の癒しですよ。書店目当てに来る客もいるだろうし、そうすれば周囲にも人が来るから地域活性にもなる。
詠太郎もそういう本を売るだけじゃない、本に興味がない人でも、気軽に立ち寄れる本屋を目指しています。
私の知り合いの本屋さんも、シャッター商店街の中にあって、地域のお年寄りから本好きの人まで集まるコミュニティになっています。
同じキタハラさんの小説『遅番にやらせとけ』の一文を思い出しました。
「本屋ってのは何を売っているんだと思う?人間に必要なものを売っているんだ」
本屋が売るのは知識であり、人が憩える空間であり、コミュニケーションったりするのかも。
続編希望
登場人物が魅力的でした。
自費出版を強引に売りつけにくる武者小路さん。てっきり自分史を押し付けてくるようなイタい人かと思いきや、内容は案外しっかりしていたり。
奈緒がデザインした表紙に変えたら売れたってのも本屋あるあるですよね。アイドルやアニメキャラ表紙の文庫も売れますし。
真司と奈緒、それと詠太郎を「師匠」と慕う出版社営業の大原さん。登場人物たちの過去はまだまだ掘ったら面白いものが出そうだし、本屋を続けていくうちに、関係性も変わっていきそう。
そして何より、三角書店がどんな本屋になっていくのかが楽しみで、続編ぜひ書いて下さい。

