常食グルメ漫画 『駅前の歩き方』

漫画イメージ グルメ漫画
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「常食」とは、名物でも観光食でもなく、その土地の人が日常的に食べている料理のこと。けれど、他の土地の人にとっては、実はとても珍しいんです。

そんな、その土地ならではの「常食」を求め、小説家と編集者が全国を旅して回る漫画が『駅前の歩き方』です。

著:森田 信吾
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常食とは、

「たぶん人がその土地を離れて無くなって初めてそれがあった事に気づく」

食べものなのだそうです。

日本各地の常食

「駅前の歩き方」では、長野・伊那ローメン、長崎のトルコライス、埼玉・行田のゼリーフライなどが登場します。また、今では人気の富士宮やきそばなども取り上げています。

『駅前の歩き方』には、名前を聞いただけでは料理が思い浮かばない、食べ物の話が登場します。また、食だけでなく、その土地柄についても詳しく書かれています。

様々なおかずを盛り込んだトルコライスは、国際都市だった長崎らしい、異文化が入り混じった料理ともいえます。

駅前の歩き方で紹介された長崎の常食「トルコライス」
駅前の歩き方で紹介された長崎の常食「トルコライス」

例えば、ゼリーフライはおからのコロッケのこと。足袋生産が盛んだった行田で、女工さんたちのおやつとして食べられていた。形が小判型だったため「銭」から転じて「ゼリー」になったとか。

地元の人にとっては日常食なのに、他の土地の人間からみると面白い。そんな「常食」の物語です。まるで、地方CMを見たような新鮮さが魅力です。

最近では、常食をB-1グランプリや町おこしとしに利用して自治体もありますね。

ですが、この本が発売された2005年には、まだローカル食やグルメ漫画が人気になる前でした。そのため今では、知る人ぞ知る漫画となっています。

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